2020年3月13日金曜日

HIVになって驚いたこと。

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治る病気でもなくても希望があるということでした。
でも、絶望もありました。

自分が治療をはじめてから、ほとんど性的接触はありません。
もちろん、必要な知識は得ているのですが、していいのかどうかわからないのです。全くなかったわけではありませんが、油断はしない、没頭は出来ない、自分のセックスライフは死んだ物と思っています。

想像つきますか、自分の人生から性的なものを除かれる恐ろしさ。
僕はもう誰かの肌に触れることは許されないのかもしれない、と今でも思っています。
好きな人もいません。
誰も好きになってはいけないと思っているのです。

医療関係者の中にも理解がある人が実は結構居る、ということに希望がありました。
なんの希望、それは、生きる希望です。
みんなが自分のためにアドバイスをくれ、専門知識でサポートしてくれる、自分を生かそうとしてくれることに非常な驚きを持っていました。
最初にあれでしたから、HIV患者は早く死ね、ということが本音なんだな、と思っていた僕からは、外来で対応して貰えることは、本当に奇跡の様な救いでした。

確かに自分の人生からは性が抜け落ちてしまったのですが、それでも生きることを支えてくれること人たちがいることが、今は自分が死なずに済む唯一の救いなのかもしれないです。

あと、ソーシャルワーカーさんからも、念を押されましたが、自分の病名を気枯れても絶対に教えてはいけない、ということでした。
社会的な守秘義務がある人でも、奇異や差別的な目で見る人はいると言うことです。
そして、僕はそれを嫌というほど実感をしています。

僕の周りにも、少なくない数で、HIV感染者に対しての差別的視線はあります。
これは、今現在流行している、新型コロナウイルスで露見していると言えるでしょう。
性的なことが関われば余計にそうです、

ゲイであることで差別され、
HIVキャリアであることで差別され、

私たちの周りは、たった一つの出来事で恐ろしい地獄と化してしまった、と感じることは本当に多いのです。

僕はHIV感染者に対して、差別意識は感染前も感染後もありません。
ですが、社会の、いわゆる一般的な人々というのは、ちょっと違う感覚なのですね。